本殿についての記録は、
同殿に現存する本殿(寛延
三庚午極月廿二日(1,750)
新宮大明神並びに御相殿
賀茂大明神御殿再建)の
棟札による。
◎本殿遷宮の記録
奉建立御神殿大同二丁亥夏四月(807)
→天喜四丙申秋八月(1,056)
→徳治丁未春三月(1,307)
→永禄十二己巳秋七月(1,569)
→寛延三庚午極月廿二日(1,750)の五回
本殿全容
平面は吹放と言って、
全面一間に壁が無く柱
だけの、この地方では
典型的な形式である。
屋根は入母屋造りで、
市内では珍しい。
また、良質で太い欅材を
使用しているために保存状態
が極めて良く、美術的・資料的価値も非常に高い貴重な文化財である。
本殿の正面中央の板扉は永禄12年(室町末期)のもので、一枚板でほぼ完璧な姿で残るものと
しては、他に類を見ない。
唐様の意匠が目立ち、その他龍や麒麟の丸彫、虎の透かし彫りなどの彫刻も多く用いられている。
唐様の尾垂木を入れているのは広島県内で最初の例で、神社本殿の先端の例と言える。